大人になっても、トラウマは自然には回復しないのです。わたしもDVで離婚しました。家庭内で暴力を目にした子供たち。子供のころの記憶が、潜在意識にインプットされ、大人になっても何十年も人生に影響を及ぼします。
自分自身の暴力の体験のトラウマの克服をした経験や、わたしの子供たち、そして専門家として心理のセッションを行っている経験をもとに、どのようにすればよいのかをお伝えします。
暴力を受けた女性のメンタルヘルスも大事な問題ですが、実は、暴力を行使した男性、そして、その場に居合わせた子供たちにも大きな影響があるのです。
DV家庭に育った子供たちの中には、暴力を目撃しているけれど、小さいほど記憶にはほぼないこともあります。しかしトラウマが確実に残っています。潜在意識からは自然には消えないのです。DV目撃をしたり、子ども自身も暴力を受け、傷ついた記憶がずっと残っているのです。家庭は、安全で安心できるのが本来のあり方ですよね。
それが、暴力があった家にいた人たちにとっては、自分の家なのに、DVがある家庭では、「安全」ではなく、家は「危険」な場所という認識が潜在意識にはいってしまいます。
目次
トラウマの克服は、どうすればいいのか
心理的なショックや恐怖があると、深く記憶に刻み込まれます。トラウマと呼びますよね。そのトラウマは、潜在意識の中に埋め込まれています。様々な経験のなかでも、特に恐怖の体験は、DNAレベルに直接書き込まれるといわれています。
命を守るために必要な情報が、最優先され、遺伝的に、人類が生き残るように情報が受け継がれるからと言えるでしょう。それだけ、恐怖というのは、強く影響を残します。トラウマを潜在意識から、根本的に書き換えをして、消去しない限り、たとえ、忘れていても、ずっとあり続けています。
普段忘れているのに、ある出来事をきっかけに、あの嫌な感覚や恐怖が、ありありとよみがえってきた体験をしたことがあると思います。
イヤな感覚がよみがえるのは、トラウマが解消されていないからです。トラウマが克服できていれば、その出来事を思い出していも、ネガティブな感情が呼び起されません。その状態が、トラウマが克服された状態です。
トラウマの克服の方法
トラウマを克服するには、潜在意識を書き換えすることが必須です。全体の意識の97%が潜在意識であり、無意識とも言われます。
自分で自覚できない無意識のところに入っているのデータを書き換えするのです。そうすれば、トラウマは解消されます。気合をいれたり、忘れるようにしようなどの方法では、潜在意識にあるデータは書き換わりません。トラウマを克服するためには、潜在意識を書き換えしてください。
大人になっても、トラウマが人生を邪魔する
子どものころに家庭内で目撃した暴力、DVの記憶は、深く潜在意識に刻み込まれます。子どもは、その出来事に、無意識に思考パターンや解釈をするのです。
例えば、うちの子供たちの潜在意識に入っていたデータは、こうでした。
「暴力は正しい」
自分の母親が、父親に殴られたり、蹴られたりしたことを幼心に、その事実を思考の学びとしていれてしまうような感じです。
うちの娘のケース
小さい時に、家庭内で弟と暴力の現場を目撃しました。そのとき、
「わたしが、弟を守らなければならない」
「わたしが、あのとき、なぜ止めにはいらなかったのだろう」
「もし、あのとき子供の私が、止めにはいれば、状況が変わったかもしれない」
とずっと自分自身を責め続けていました。それを大学生になってから話してくれました。
それなのに、潜在意識に何が入っているかを探したところ、
「暴力は正しい」
「暴力は当たり前」
「すべて自分が悪い」
「親は敵だ」
「自分は無力だ」
「自分に従う人はバカだ」
「私は、父親の攻撃性を受け継いでいます」
のような言葉がたくさん存在していました。
息子の場合
「暴力は正しい」
「女はバカだ」
「負けると終わりだ」
「僕は女性を傷つける」
DVの暴力の現場を目撃した子どもの一人である息子は、子供心に、母が暴力を受けている状況を、悲しすぎてそのままを受け入れず、解釈を曲げて潜在意識にインプットし自分自身に納得させたように感じました。そしてそれと同時に、暴力をしているのが男性なので、男を正当化して解釈し、「やられる女性が悪い」「僕は女性を傷つける」と潜在意識に入れたように感じました。
これは、ヒーリングに技術を用いて、子供たちの潜在意識にある感情のエネルギーを読み取ったからわかったことです。
隣の部屋で、光が漏れている扉の隙間から、子供たちは見ていたそうです。声や、暴力による音、侮辱したり否定したりする声や言葉、などを身が固まったようにその場で目撃してしまいました。その時の記憶は、息子は覚えていないそうですが、潜在意識には、しっかりとインプットされているのです。寝ている間に無意識に聴いている音や言葉も、すべて潜在意識には入っています。
トラウマを克服するには、本人も自覚や記憶がないこともあるのですが、潜在意識に入っている思考パターンには、上記でご紹介したように、「暴力は正しい」「女性を傷つける」などの埋め込まれたデータが自動的に作動し、いつか誰かを傷つける加害者になる可能性が高くなります。
内面化され、潜在意識にはいった情報は、長期的に影響を及ぼします。
気づいたら、結婚後に、同じような相手を選んでいた、両親と同じような状況になってしまった、など、似通った現実を繰り返すのです。
なので、一度DVの経験がある人は、また次に好きになる人は、またDV気質の人で同様に追い詰められ、傷つくような状況を繰り返しがちです。これは、何度もお伝えしているように、「潜在意識に入っている思い込みのデータが、そのまま自動的に再現をする」からです。
「自分が悪い」と罪悪感を常に持ちつづけることになり、子どもの頃の暴力の記憶から、「あらゆる場面で自分が悪い」という自動的に思ってしまうようになったとは、本人は気づけません。「わたしはこういう性格だから」と生まれつきの性質だと思いこんでいます。
トラウマから回復には潜在意識の書き換え
子どものころに暴力を体験したり、目の当たりにした場合は、潜在意識からデータを取り除く作業が重要です。環境を安心安全にすることはもちろん、潜在意識に入ってしまった思考パターンを、変える作業をすることです。これは、専門家を頼ったほうが良いでしょう。
潜在意識の書き換えの専門家に依頼することで、的確に変革できます。さまざまな専門家がいますので、ポイントをご紹介しますね。
トラウマの克服までのステップ
トラウマの克服には、大事なステップがあります。
1.潜在意識に埋め込まれた、望まない「思考パターン」を見つけ出す
2.上記を取り除く
3.怒りや罪悪感、悲しみなどのネガティブな感情エネルギーを開放する
4.望ましい思考パターンに変えて潜在意識に入れる
5.過去に感じたことのない感情や感覚を新しく潜在意識に入れる
この5つが必要です。
特に、新しく今まで知らない感情を潜在意識に入れることも、回復した後に幸せな人生を送るのに必要です。シータヒーリングを使うと効果が高いです。
これは、例えば、子供のころから、暴力の中で育ってきた人は、家庭は危険なところが当たり前なのです。そして、家庭は安心で安全でリラックスできる場所だという感覚を知りません。頭で知識では、大人になればわかることではあるのですが、実際に体験したことがないので、感覚でわからないのです。
それを、専門の技術を使って、潜在意識に入れる作業が必要です。これは専門家に依頼するとやってくれます。
これがわかっていて、技術を持っている専門家に依頼してください。
イメージングの誘導の技術や潜在意識を書き換えるヒーリングの技術、思考パターンを見つけ出せる聴き取りの技術などが、トラウマの克服には必須です。人によっては、前世、過去生からくるネガティブなデータを解除する必要があるケースもあります。このあたりも、対処できる専門家が望ましいです。
加害者と被害者はどちらも、潜在意識の書き換えが必要
加害者が悪くて、被害者が一方的に被害を受けているという構図で見がちですね。しかし、実は、潜在意識のレベルでみると、どちらも同じものを持っているのです。
被害者も実は、潜在意識下には、ものすごい攻撃性の意識のエネルギーを持っているケースが多いです。
意識は見えないものですが、確実に、加害者と被害者は、同等の潜在意識にある攻撃のエネルギーを持ち合わせているのです。
上辺だけを見ると、弱弱しく見える被害者の立場の人でも、潜在意識のエネルギーを見に行くと、ものすごい攻撃性をもっていることが、私自身も含め、セッションを通して、共通しています。どちらの立場になっていたとしても、潜在意識にある思考パターンや書き換えをしっかりと行うことをおすすめします。
そうすることで、その後の人生で、同じことを繰り返さず、心穏やかに、良い人間関係の中で、幸せを掴むことができることになります。
大人になってからでも、遅くはありません。今、しっかりと向き合って、幸せになりましょう。この記事が、同じように暴力や家庭内のドメスティックバイオレンスにさらされた方に、役立つよう願っています。
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